フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めてフルバランスアンプを中心に自作しています。

2010年09月

LTspiceは、無償で素子数制限なしで使えるシュミレーションソフトです。
 
只で、制限無しで使えるのは魅力的です。
 
昨日、本屋で「LTspice入門編」を購入して、回路を書いてみました。
イメージ 1
 
試しに作った回路です。
イメージ 2
使い方が良く分かりません。 抵抗の形がカッコ悪い。 
 
慣れるまでに、時間が掛かりそうです。
また、モデルも米国パーツが登録されてまが、日本のパーツが一つも登録されていません。PSpiceからマクロモデルを移植しないと、私としては使えません。(只ですので、文句も言えませんが)
 
時間が掛かりそう。

DCサーボ+エラーアンプ
 
試しに、DCサーボアンプとエラーアンプを、追加してどの様な特性になるかシュミレーションしてみました。
 
DCサーボ+エラーアンプ追加回路 
イメージ 1
特性確認のため、HOT側の入力を0.4Vとしてます。(COLD側は0.1V)
 
周波数特性 
イメージ 2
グラフから問題なくDCサーボが働いているようです。
 
出力のバランス特性 
イメージ 3
HOT側outとCOLD側outが、同じ電圧なので、エラーアンプも問題なく動いてます。
 
今回もCOLD側の入力にDC電圧を加えて検証しました。
出力のDC電圧はどうでしょうか?
イメージ 4
出力にDC電圧は出ていません。
 
シュミレーションの結果から、この回路も使えそうです。
 
さて、どの回路を採用しようか悩むところです。

バランスアンプのDCサーボ化
 
バランスアンプにDCサーボを追加して、シュミレーションしてみました。
なお、特性検証するためエラーアンプは、今回外してます。
 
DCサーボ追加回路 
イメージ 1
今回もHOT側の入力を0.4Vとしました。
 
入出力特性(1KHzサインカーブ) 
イメージ 2
この回路の場合、エラーアンプが有りませんので、出力がアンバランス(HOT側の方が電圧が高い)に成ってます。
 
周波数特性 
イメージ 4
CDサーボアンプもACアンプ(出力にコンデンサー追加)と同じで、低域の位相が進みます。
 
 
出力のDC電圧 
イメージ 3
COLD側の入力にDC電圧を加えて検証しました。 DCサーボのおかげで、出力にDC電圧は出ていません。 
 
DCサーボは、OPアンプを2個追加しましたが、コンデンサー追加のACアンプの方が、回路がシンプルです。 音質的にどの様に変わるか?
 
次は、DCサーボ+エラーアンプで、シュミレーションしてみます。

完全差動アンプとの違い
 
TIの技術資料(jaja122)に完全差動アンプが掲載されてました。
 
この完全差動OPアンプ(THS41xx 、THS45xxなど)は、一連の平衡増幅回路の考えを使ったOPアンプです。
TIでは、完全差動アンプ(Fully-Differential Amplifiers)と言ってます。
 
標準OPアンプとの違いは以下のようになります。(図1)技術資料抜粋
イメージ 1
特徴は、VOUTが+(プラス)と-(マイナス)が有り、VCOM(基準電圧)用の端子があります。また、平衡アンプですので、偶数次高調波ひずみの減少(6dB減少)、出力スイング電圧の増加、ノイズ耐性の増加が期待されます。
 
図2は、OPアンプ内部の構造略図です。
イメージ 2
ポイントは、「Vocmエラーアンプ」です。 今回、検討している平衡増幅回路そのものです。
 
この図は、ノイズの説明です。
イメージ 3
 
NFBの掛け方及び利得計算
イメージ 4
 
完全差動アンプのNFBの掛け方ですが、反転アンプと成ります。その為、入力インピーダンスを高く設定できません。ここが欠点かも知れません。この辺は、私が作製したパワーアンプと同じNFBの掛け方です。
 
今回検討している回路とTIの完全差動アンプでの違いは、反転と非反転アンプの違いかと思います。
次は、DCサーボを追加して、特性を見てみます。 

この平衡増幅回路の特徴として、入力インピーダンスが高く設定でき、ホット側入力電圧とコールド側入力電圧が違っていても出力は同じ出力電圧になります。
 
下の回路は、わざと入力電圧をかえて、検証してみました。
イメージ 1
 
入力波形と出力波形です
イメージ 2
波形の入力がホット側0.4V、コールド側0.1vですが、出力電圧はホットとコールドが同じです。 この回路は、入力の違いを補正してくれます。
 
話は、DCオフセットの対応になりますが、この回路は、DCサーボ的な働きができないので、出力に10μFを追加してACアンプにしてみました。
イメージ 3
 
周波数特性です
イメージ 4
ACアンプの宿命と言うか、位相が進みます (紫色が位相です)。
この辺を、気にする方もおりますが、周波数を低く設定すれば問題ないと思います。
ちなみに、CDサーボも同じ様に位相が進みます。

↑このページのトップヘ