フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

2010年07月

アンプのバイアス電流調整を行いました。
アンプのファイナル段のMOSFETは、4パラ X 2 構成で、FET一つ当り125mA流すことにしました。AB級動作です。
 
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MOSFETは、トランジスターと違いバイアス電流を100mA位と少し多めに流す必要が有ります。
電流を流してあげないと、FETのNチャン側(2SK405)とFETのPチャン側(2SJ115)の出力が上手くつながらない(合成できない)ため、クロスオーバー歪みが出てしまいます。

バイアス電流を200mA~250mA位流したいところでしたが、放熱器の放熱容量が足らなく125mA以上流す事が出来ませんでした。また、コンパクト モノラル アンプを目指したため、アンプを収めるケースもギリギリの大きさで放熱に余裕が有りません。  総電流は、125mA X 4 X 2 =約1000mAと成ります。

次は、アンプの静特性を確認したいと思います。回路シュミレーション通りの特性が出るか楽しみです。
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オシロスコープを使うと簡単にアンプの動作確認ができます。(私の場合)

 
例えば、①周波数特性、②増幅度、③波形の歪(波形の目視では、1%位の歪率まで)、④異常発振、⑤応答特性、⑥位相特性、⑦残留ノイズ、が確認できます。
 
※測定には、オシロスコープの他に最低でもオーディオ発振器(1Hz~1MHz位)が必要です。
 

1.接続方法と波形観測
(図-1)の様に成ります。
②アンプの負荷抵抗Rを8Ωとして、出力Wを1[W]時の波形を確認します。
③アンプの出力(2cH)の出力を1[W]に成るよう決めます。V=√W*R=√1*8=2.8[V](実効値)ですが、オシロで確認する場合は、最大値の方が見やすいので、2.8[V]を最大値に換算すると2.8*√2=4[V]に成ります。(電子電圧計が有ると便利)
④4[V]に成る様に発振器の出力を上げます。(図-2)
⑤発振器を低い周波数(10Hz)から高い周波数(1MHz)まで変化させ、出力信号(2cH)を確認します。
⑥アンプの出力を0.5Wや10W等に変えて、同じ様に波形を確認します。
 
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2.周波数特性、増幅度、位相特性
①オシロスコープの1cHと2cHの信号電圧から周波数特性と増幅率を確認します。
②周波数特性:1KHzを基準電圧として周波数を上げ電圧の変化を見ます。
③増幅度:1cH=0.4V、2cH=4Vの場合、10倍で20dBです。
④位相特性:1cHをX軸信号に2cHをY軸信号としてオシロに入れ、リサージュ図形から位相が分かります。
 
 
3.応答特性
①発振器の信号をサイン波はら矩形波にすると、その波形(2cH)から周波数特性が読めます。(図-3)
 
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②A の周波数特性:入力周波数の10倍以上まで、ほぼフラットな周波数特性。
③B の周波数特性:入力周波数の10倍位で高域が落ちる。
④C の周波数特性:入力の1/10の周波数から低域が落ちている。
⑤D の周波数特性:高域にピークが有る。
と判断出来ます。
今は、PCを使用して測定が出来るソフトが有りますので、この辺を利用すると良いと思います。(周波数特性や歪率を計測するなら、フリーソフトの「WaveSpectra」)
 
 
4.異常発振
①アンプの異常発振が一番重要ですので(図-4)にまとめました。
 
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②条件によって異常発振する。
・アンプの電源を入れた瞬間に発振する。(アンプの立ち上がり時に不安定領域が有る)
・アンプの減電圧、過電圧で発振する。(アンプの供給電圧を変化させると不安定になる)
・アンプの温度が上がると発振する。(温度による特性変化)
・CDバイアス調整時に発振する。(バイアス調整でトランジスター等の特性が変化し不安定になる)
・トランジスター等の部品に手を近づけると発振する。(手を伝わり正帰還がかる)
・アンプ基板等に衝撃(手で叩く等)を与えると発振する。(アンプの位相余裕の問題や、接触不良等)
 
 
簡単にまとめましたが、異常発振が一番重要です。
この様な状態でアンプをスピーカーにつなげるとスピーカーが壊れる事が有ります。

バランスアンプは、2種類の入力信号(正相Hot、逆相Cold)が必要と成りますので、オーディオ発振器の出力からマイナス信号(-180度)を作る回路をOPアンプで製作しました。
◆アンバランス→バランス変換基板
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◆正相(Hot)と逆相(Cold)の信号波形
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◆バランス→アンバランス変換基板
  オシロでの観測用にバランス→アンバランス変換基板も作りました。
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これで、アンプの動作テストが行えます。
 
OPアンプの電源がなかったので、秋月電子で買った、24Vのスイッチング電源(アダプター)で代用しました。スイッチング電源はノイズが多い気がしますが、問題ないでしょう

2013.01.13追加
 
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本日(2013.01.13)、動作確認。波形はチャントでました。
 
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オーディオ発振器、バルボル、オシロスコープは20年以上使用してませんので、動作するかでしたがスライダックで電圧を少しずつ加え動作確認し、取りあえず使える様です。
20年以上使ってなくても壊れないのですねェ。
あと、壊れたMOSFETのストック品を探さないと。 今日、実家に帰って探します。
いい天気ですねェ(関東地区)。 海にいきた~い かき氷喰いた~い
 
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安定化DC電源をシュミレーションして見ました。
 オーディオの世界では、無帰還型のDC電源が音が良いと評価されてます。そこで、帰還型電源無帰還型電源の計4回路をシュミレーションしました。
 
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結果として、イミュニティ(外部からの影響)では、無帰還型電源サンプルNo.2が一番良い数値0.5 [mV] でした。/ 負荷変動では、やはり帰還が掛かっている帰還型電源サンプルNo.1が84 [mV]と良い値でした。

測定条件は:
イミュニティでは、電源の入力をCD 70 [V]、ノイズ源45[V]を0.1Hz~10MHzでスイープ。電源の出力を45 [V] に設定しMOSFETを負荷として 60 [mA]をアイドリング電流とて流しました。
負荷変動は、電源の入力をCD 70 [V]、ノイズ源なし。電源の出力を 45 [V] に設定しMOSFETを負荷として 60 [mA]をアイドリング電流とし、そのMOSFETのゲートにAC 45 [V] の信号を0.1Hz~10MHzでスイープしました。   ※チョットあり得ない電圧。やり直した方がいいかなぁ。
 
無帰還型電源サンプルNo.2は、外部からのノイズをカットする効果は大きいですが、負荷変動には弱い様です。しかし、大半のアンプはA級動作させてますので、問題無いのかも知れません。
 

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