フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

2014年08月

CDやプリアンプにトランジスタ式のミュート回路がよく採用されています。
 
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これは、前回のミュート方法B案になると思います。
このようにトランジスタのコレクタとエミッタを入れ換えて使っている回路をよく見かけます。
初めて見た時、回路が間違っているのではと、思ったことがありましたが、トランジスタ式ミュート回路も色々と事情が有るようです。
トランジスタ式ミュート回路に使うトランジスタは、ミュート専用のトランジスタを使う必要があります。
◆ミュート専用のTR(トラ技より):2SC3326、2SC4213、2SD2144、2SD2704
何処が違うかですが、トランジスタの構造がコレクタ側とエミッタ側で同じ構造で、エミッタとベース間電圧(Vebo)の耐圧が高い、リバースhFEが大きくON抵抗が小さい物が、ミュート回路に使用できます。
何故、コレクタとエミッタを入れ換えて使うのかですが、逆に使うとトランジスタのON抵抗が少なくなるそうです。
 
実際の使い方は、以下のようになります。
 
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電源は、プラス電圧とマイナス電圧が必要となります。(電圧は、信号電圧より高めの電圧が必要です)
 
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これは、ミュート回路がOFF状態のときミュートのトランジスタが問題を発生します。
交流信号は、プラスとマイナスの信号でできています。そのためミュートOFFの時にトランジスタのエミッタにマイナス電圧(約0.6V以上)が加わった時にベースとエミッタ間で電流が流れ、信号波形のマイナス側の頭がカットされてしまいます。
そのため、ミュートOFF時にトランジスタのベースにマイナス電圧を加えて、ベースとエミッタ間で電流を流さないようにします。
回路図に入っているコンデンサは、アンプからの直流カットのためのコンデンサです。
基本的には、ミュート回路には、直流を流さない事が重要です。
直流を流すとミュート時の切換ノイズが増えます。

アンプのミュート回路は、ミュート方法A案とミュート方法B案が考えられます。
 
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ミュート方法A案は、パワーアンプの出力に使われる方法で、ミュート方法B案は、CDやプリアンプの出力によく使われるミュート方法です。
二つのミュート方法をポータブルヘッドフォンアンプに使った場合を想定して、比べてみましょう。
 
<ミュート方法A案>
・アンプ使用時にスイッチがONしますので、使用時に電力が消費されます。
・スイッチがスピーカーに対して直列に入るので、スイッチのON抵抗によりダンピングファクターが悪くなる可能性が有ります。
・異常時、アンプとスピーカーを切り離すので安全です。
 
<ミュート方法B案>
・アンプ使用時にスイッチがOFFとなりますので、使用時の電力がゼロです。
・スイッチがスピーカーに対して並列に入るので、スイッチのON抵抗の影響を受けません。
・異常時、スイッチに大きな電流が流れる可能性があり、スイッチにダメージを与える事もありますし、スピーカーが繋がったままですので、安全とは言えません。
 
 
色々とトレードオフの部分もありますが、パワーアンプの場合、一般的にはミュート方法A案を選択すると思います。
ポータブルヘッドフォンアンプにミュート方法A案を採用した場合の一番の問題は、スイッチ(リレー)の消費電力とリレーのON抵抗です。
 
小型リレーの5V品で20mA~40mA流れます。この電流だとアンプの稼働時間に影響が出ます。
これを解決するのには、ラッチングリレーを使えば解決しますが、リレーのコントロールが難しい。
 
もう一つの方法は、ON抵抗の小さいMOSリレー(フォトリレー)です。↓↓
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ON抵抗の小さいMOSリレー(フォトリレー)を探しましょう。
MOSリレーは、3mA位で動きそうです。

昔は忠実に一点アースを守り、芸術的な基板パターンを書いていました。
 
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素晴らしいパターンです。
 
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こちらも素晴らしい
 
 
手前味噌ですが、私も頑張ってみました。
 
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最近は、こんな事やっている基板あまり見ませんねぇ。

時間をみながらヘッドフォンアンプの保護回路を検討しています。
なかなか、良い方法が見つかりません。
 
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ポータブルのヘッドフォンアンプですので、保護回路は低消費電力タイプでないとダメですし。

CrossOver PA1 Class-D amp
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デジアン基板「PA1 Class-D」の頒布を開始できることとなりました。
デジタルアンプの実験や勉強としても使えます。
デジタルアンプに、ご興味がある方は是非どうぞ!
 
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詳しくは、CrossOverホームページをご覧下さい。
http://crossoversound.me/pg230
 

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