フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

2019年01月

基板はエッチングを行い銅箔のパターンを作ります。
このエッチングのパターン転写用フィルム(マスクフィルム)を作る事をアートワークと言います。

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今は、PC(パーソナルコンピュータ)が安く手に入り、無償のPCB-CADで基板設計、アートワークが出来るようになりました。
昔、PCやPCB-CADが普及する前は、パターン転写用フィルムは手作業によって描いていました。
つや消しのマイラーフイルムに直接コンパスや定規を使って黒インクペンで描いていました。
これを「墨入れ」と言っていました。

アートワーク = 墨入れ

当時、製品の開発期間が1年とか1年半でしたので、基板設計や墨入れは設計者が行う事が多かった様に思います。
時間も有ったので、テスト基板の作り変えも何回となく出来ていました。

その後、アートワークは黒い粘着テープや部品パッド形状をした粘着シールを直接マイラーフイルムに貼ってマスクフィルムを作る様になりました。
この粘着テープや粘着シールは墨入れと違って回路パターンの修正が簡単に出来て便利でした。
が、完成した原版マイラーフイルムを基板屋さんに渡るまでの間に、この粘着シールが剥がれる事がありハラハラでした。www

そして、PCB-CADの登場です。
私が最初に使ったPCB-CADは、図研(ZUKEN)のCR-3000(PWS)でした。
CR-3000はUNIX系のワークステーションで、価格は1台数千万円ほどしました。
この頃から回路設計と基板設計・アートワーク作業が分業になったと思います。
先ず、回路設計者がマイラーフイルムや方眼紙に2倍~4倍の大きさで部品配置とパターンの下書きをして、それをデジタイザー(部品の位置を入力できるポインティングデバイス)を使って部品と信号ラインの位置をデジタル化してPCB-CADでアートワークを行っていました。
完成したCADデータ(Gerberデータ)は、磁気テープに落としこんで基板屋さんに送っていましたが、その後、基板の試作時間を短くするためCADデータをモデムで送っていました。
このモデムでの転送は、帰社する前に基板屋さんに電話をしてモデム回線を空けて貰いデータ転送をセットしてから帰宅です。
そして翌朝出社、データ転送が終わっている筈のモデムが止まっていて唖然。
こんな事がよく有りました。Ww
モデムも特殊な高価なモデムでしたね。

まだこの時は部品配置やパターンの下書きが出来る時間が有ったので良かったのですが、段々と設計期間が狭められて来て下書きも書けない状況になり、回路図を書いたらそれをCADオペレーターにマル投げしていた時も有りました。ww
大手電気メーカーでは、回路設計とアートワーク(PCB-CAD)は分業されています。
このへんは難しいのですが、CADオペレーターの能力と技術情報の伝達(打合せ)がポイントとなります。

それからDOS-V機が出始めてPCベースのPCB-CADが発売されるようになりました。
MY-PCB、Protel、PADS2000、K-4 CAD等で、50万~数100万で購入できるパーソナルCADの時代となりました。

そして、現在は無償のPCB-CADが色々と提供されています。
よい時代です。

昔のオーディオ基板は、マイコン等のデジタル回路が無かったので一点アースが基板設計の基本とされていました。
何処の基板も綺麗な一点アースで回路パターンが描かれていました。

例えばこんな感じ:
        

     

ノイズと言えば、「ハムノイズ」電灯線の50Hzか60Hzの基本周波数を含む2倍~3倍の高調波ノイズで、ノイズ対策はアース回路の引き回しや電源トランスの位置変更、また高インピーダンス部分のシールドの実施やシールド線への変更で対策が済んでしまうことが多かったように思います。

その後、オーディオ製品もデジタル化が進みアナログ回路にデジタル回路が入ってきて、アナログとデジタルの混在基板と成りました。
現在多くの基板はアナログとデジタルが同居しています。
そしてCD(コンパクトディスク)が出始めた頃からオーディオ基板の回路パターンの書き方も少し変わってきました。
現在の基板はベタアース(基板の隙間全てを銅箔の面アースとする)が主流と成っています。

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ベタアースは共通インピーダンスの集合体で、一点アースの真逆になります。
ベタアースにする利点は、ノイズを受け難くするのとノイズを外に出し難くするためです。
デジタル回路は高周波成分を多く含んでいます。
この高周波成分(高調波)がノイズとして他の回路に影響を及ぼしてしまいます。

デジタル回路=高周波回路

また、デジタル回路はリターン電流(リターン・パス、グランド帰路)を考慮したパターン設計が必要で、デジタル回路の一点アースはリターン電流の経路が長くなりデジタル信号のリンギングや高周波ノイズの輻射が増えてしまいます。
信号ラインとリターン電流の基板パターンが離れているとその間(隙間)でループアンテナを形成しその部分からノイズを輻射してしまいます。

リターン電流

ベタアースも片面ベタと両面ベタがあります。
ベタアースの効果を上げるためには両面ベタアースをお勧めします。

最後にベタアースにするとアースと信号間でストレー容量(浮遊容量、寄生容量)を持ちますのでこの点にも注意が必要です。
※インピーダンスの低い部分ではストレー容量はあまり問題にしなくても良いと思います。

昨日、沢田聖子さんの2019年 新春 1st. LIVEに行って来ました。

ライブは吉祥寺のスターパインズ・カフェです。
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沢田聖子さんのライブに行ったのは約30年ぶりでしたので、ライブに行く前にYouTubeで少し勉強しておきました。w
歌声は相変わらず素晴らしかったですし、若いです。
今年の3月で57歳に成るそうです。

こちらが、沢田聖子さんのブログです。

ライブ後の集合写真です。

私が何処にいるか分りますか?
ヒントは、1階の中央ですが、少し上側ですね。
服は黒っぽい服を着ています。
澄まし顔をしています。笑っていません。
毛は有りますが、眼鏡はしておりません。w

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