フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

2019年07月

オーディオケーブルを自作されている方も多いと思いますが、バランスケーブルに使われているXLRコネクタについてです。
XLRコネクタのハウジング部分(筐体)は金属でできていて、このハウジング部分をグランド線(シールドのアミ線)に接続するべきか浮かせるべきか悩むことがあります。
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先ず実際にノイトリックのXLRコネクタのインサート部分を見てみると。
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この写真ではコネクタのハウジングに接続(接触)出来るようインサート部分に端子が付いています。
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この端子とグランド線(アミ線)を繋げるとハウジングがグランドに接続されることになります。
単純に考えるとハウジングはグランドに接続した方がシールド効果でノイズに対して有利になるように思います。

問題はグランドループや接続機器筐体からのノイズです。
XLRケーブルのメス側及びオス側のハウジングをグランドに接続するとXLRケーブルの前後に接続される機器内部のグランド状況によっては、グランドループを形成してノイズを発生したり、また接続機器筐体から出るノイズを拾ってしまう可能性もあります。
特にデジタル機器はノイズを多く含んでいるので注意が必要です。

そのへんを考慮すると、「LXRケーブルのハウジングはグランドに接続しない」方が良いと考えます。
・ ・ ・ インサートに有る端子は使わない

実際に購入したケーブルを確認したところ、インサート部分にあるグランド接続端子には何も繋がっていませので、ハウジングはグランド接続されません。 (2019年4月に購入したCANARE製BC03-B)
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昔購入したケーブルのコネクタ (メス側) はグランド接続されています。 (購入時期不明??)
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オス側は接続されていません。
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補足:
これは一般家庭のオーディオシステムに限定します。
PA等のプロの世界は?です。
なお、環境によってはハウジングをグランドに接続した方が良い場合があると思います。
その時はメス側のハウジングだけをグランドに接続して下さい。


プリント基板(PCB)の銅箔パターンの酸化を防いたり、ハンダ付けのし易さや自動ハンダ槽でのハンダブリッジを避けるため基板に緑色のソルダレジストを塗布します。

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ソルダレジストには、液状ソルダレジストとフィルム状ソルダレジストの2種類あります。作業性が良く塗布し易い液状ソルダレジストが殆どだと思います。

最近はソルダレジストもカラフルで基本色の緑色に加えて、赤色、青色、白色、黒色、艶消しの黒色、紫色、無色透明、と色んな色があります。
このソルダレジストがストレー容量(浮遊容量、寄生容量)を持っていて、高周波回路ではこのストレー容量が特性を悪化させる場合があります。

オーディオメーカーの中には、このストレー容量が音を悪くすると言うことでソルダレジストを使っていない(ソルダレジストを掛けない) メーカーもあります。
また、ソルダレジストの色ですが色付けの顔料でも音に影響があるそうです。

ソルダレジストだけではありませんが、ストレー容量の影響を受け易いのはインピーダンスが高い部分ですので、回路全体のインピーダンスを低くするのも効果があると思います。

今回のシンボルはJFETです。
JFETを使用している回路図で、どちらがD(ドレイン)なのかS(ソース)なのか分かり辛いシンボルがあります。

下記の図①と図②です。
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このJFETのシンボルでは、どちらがドレインなのかソースなのか考えてしまいます。
回路図にドレインやソースと表記されていれば問題無いですがね。
ある程度回路が読める方なら問題無いです。

図③と図④の様に矢印の位置がソース側に有るシンボルならソースが分かります。
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図①と図②様にどちらが「ドレイン」か「ソース」が明確に表示されていないシンボルの場合は、ドレイン端子とソース端子を逆に接続しても問題無く動作する筈です。
※変な仮説です。

そこでJFETの構造ですが下の様な構造に成っていてドレインとソースが同じ構造です。
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そして実際のJFETのシリコンチップのパターンです。
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ドレインとソースが同じパターンです。
ドレインとソースを逆使いしても問題無い様ですね。

ドレインとソースを逆接続したデータが有りました。
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ほぼ同じです。

結論としては、ドレインとソースを逆に使ってもJFETは問題なく使えます。

ただ、条件が有ります。
このJFETのシリコンチップのパターンが対称的であるオーディオ帯域用のJFETに限ります。高周波用のJFETはドレインとソースの構造が違うので逆接続では使えません。

JFETを差動接続で使う時に熱結合をしますが、この場合ドレインとソースを逆接続で使うと配線が楽に出来ます。
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・右側がJFETを熱結合のため接着剤で接着したJFETです。

ディスクルート電源の組み立てと動作確認を終えて、只今エージング中です。

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このディスクルート電源も色々と改良を加えて今の回路に落ち着きました。
この電源は、NFB型ですが100kHzまで出力インピーダンスがフラットです。
基準電圧は、LEDの順方向電圧[Vf]を基準電圧として使っています。
良くLT431(バンドギャップリファレンスIC)を使われていますが、このICは高精度基準電圧を作るICで有って特にローノイズでは有りません。
ただ、温度変化に対する基準電圧の正確さではLED基準電圧はLT431にはかないません。
高度な基準電圧が必要な回路には良いICだと思います。

では、ローノイズな基準電圧はどの様な素子が良いのかですが、私はLEDが良いと思います。
ただ、上にも書きましたが温度変化に対する電圧の正確さでは少し悪いと思います。
その他では、案外とツェナーダイオードが良いのです。
不思議に思われるかも知れませんが、ツェナーダイオードの電圧の低い物(5.6V以下)に限ります。
ツェナーダイオードは設定電圧(ツェナー電圧)によって、ツェナー現象とアバランシェ現象が有ります。
ツェナー電圧5.6V以上ではアバランシェ現象が支配的になりノイズが増えます。
※ 詳しく知りたい方はネットで検索すると直ぐにヒットしますよ。
あと、ツェナーダイオードはインピーダンスが低いので、簡単なローパスフィルターをいれて電圧を取り出すと更にローノイズな基準電圧に成ります。

ここの回路図が参考に成ります。↓↓
NON-NFB(無帰還)互換型三端子レギュレーター

LED基準電圧に戻りますが、LEDは定電流源でLEDに流し込む電流を一定に保ちます。
この定電流にする事により外部から供給される電圧に含まれているノイズをカットする事が出来ます。

■ LEDの色
LEDは、色によって順方向電圧VFが違ってきます。
赤色だと1.8V~2.2V、青色だと2.8V~.3.3V位でしょうか。

■ LEDの色によるノイズの違い
実は、色によってノイズが違ってきます。
赤色と青色だと青色の方がローノイズです。

続きます

回路を説明する上でこの様なアンプやオペアンプのシンボル(記号)を使う時があります。
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このシンボルは理想のアンプや理想のオペアンプを表す場合が多いです。
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理想とは入力インピーダンスは∞(無限)Ωで、出力インピーダンスは0Ωです。

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