AK4499の回路を考える前に各pin機能を確認することにしました。
AK4499のデーターシートに参考の回路図が載っています。
このデーターシートに掲載されている回路がES(Engineering Sample)からフィードバックされた内容かは定かではないので参考程度で考えた方が良いと思います。
先ず気になるのが評価ボードに見られるデカイ電解コンが4本(評価ボードでは470uFを使用)。
philewebさんよりお借りしました。
アナログ電源に大きな電解コンを入れてないと低い周波数でのディストーションが悪くなるそうです。
それとデーターシートの10.3 Reference Voltage項を見ると
他の電源からのノイズを回避できない場合は、VREFL端子に抵抗1Ωを介してアナロググランドに接続しろとあります。
これは電解コン2,200uFと抵抗1Ωでカットオフ周波数36HzのLPFを構成するようです。
それにより±23mVの電圧が低下すとも書いてあります。
また、VREFHL1 / L2 / R2とVREFLL1 / R1 / L2 / R2は結合しないようにpinから離しておく必要があるようです。
このへんは対応しておきましょう。
最終的には、この電解コン+抵抗とのLPFを使わない方向で進めます。
これをやると高性能電源を使う意味が無くなります。
107番pinのAVDDは、クロックインターフェース電源ですが、参考回路図ではアナログ電源と同じ電源を使っています。問題無いのか?
10.4.1. I-V Conversion Circuit Example
Notes: (2) I-V変換回路で使用される抵抗は、仕様を満たすために絶対誤差の0.1%以内にすることを推奨します。
IV回路の抵抗はトレランス0.1%品を使う必要がありますね。
Note 6: AVSS、DVSS、VSSL1、VSSR1、VSSL2、およびVSSSR2は、同じアナロググランドプレーンに接続する。 パッケージ底面の露出パッドはAVSSに接続する必要あり。
Note 10: 109番pinのDVDD電源1.8Vは、DVDDの電源を入れる前に、または同時にTVDD電源(デジタル電源3.3V)を供給する必要があります。この点も注意ですね。
9.13.3. Power Up Sequence of External Operational Amplifier for I-V Conversion
Figure 65. Power Up Sequence of External Operational Amplifier for I-V Conversion
AK4499の電源を入れる前に外部オペアンプの電源をオンにすると、アナログ出力pinの耐電圧(IOUTLP / LN / RP / RN)によりICが破壊される可能性があります。 したがって、図65に示す電源投入/切断シーケンスを実行できない場合は、各VDDL 1 / R1 / L2 / R2とVSSL 1 / R1 / L2 / R2の間にツェナーダイオード(VRWM = 6〜7V)を接続します。
今回から電流出力型のDACに成ったのでこの問題が発生したのだと思います。
IV変換に使うアンプの立ち上げ時に発生するDCオフセット電圧の多きいアンプは要注意です。
入れておいた方が無難でしょうね。
10.4.4. External Mute Circuit
AK4499の前に外部オペアンプがパワーアップされる場合、DCオフセットによりクリックノイズが発生する可能性があります。
これは前回のES9038PROと同じ対応をしますので問題無いです。
DAC出力に関してはこちらで書いております。
こんなところでしょうか。