フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

2020年02月

フォルテッドカスコード型のディスクリートIV変換アンプのアートワークが完了しました。

20200224_01
基板の大きさは、縦方向(下側)に5mm増やして45mm×120mmとしました。
無理やり詰め込んだ感じですが、一枚の基板に4回路でこの基板が4枚、わ~作るの大変そうです。
電解コンデンサが入らなかったのでタンタルコンに変更しています。

次はどの様なディスクリートIV変換アンプにするか、それと同時にLPFアンプもディスクリートの回路を考える必要が有りますね。。

AK4499のディスクリートIV変換アンプは以下の回路を考えています。
20200217_01
FETの差動、フォルテッドカスコード、カレントミラー負荷、ダーリントン出力の回路構成です。
フォルテッドカスコードは、一般的に言われている一段アンプです。
その事もありオープンループゲインを稼ぐために出力を2段のダーリントンにしています。

アートワークも進めていますが、なんせ、基板が小さいので上手く押し込めるか苦戦中です。

20200217_02


実際に各基板がどのような感じになるのか基板を並べてみました。
今回もDACを収めるケールの横方向を430mmとして各基板の大きさを決めました。
タカチのケースOSシリーズだと基板の合計の長さ(横幅)を320mm~350mm以下に納める必要があります。

■Dual DAC■
20200212_01
横幅:140mm(DAI)+90mm(DAC)+120mm(IV)=350mm
縦幅:150mm(DAI)、120mm(DAC)、120mm(IV)
ギリギリOKのレベルです。
ほんとは330mm位にしたかったのですがDAI基板がデカいです。


■Quad DAC■
20200212_02
横幅はdualと同じですが縦方向が120㎜の倍以上必要となります。
縦幅:150mm(DAI)、120mm×2=240mm(DAC)、120mm×2=240mm(IV)
このへんを考えるとQuad構成にした場合は、電源は別電源(別筐体)にしないとキツイ感じがします。

DAC基板の出力とIV基板の接続です。
Dual:
20200212_03

次にQuad:
DAC基板2枚は、前回(ES9038PRO)のような構成にはできなかったので下記の接続構成となります。
20200212_04
信号の合成はIV変換アンプの出力で行っています。
信号合成をLPFアンプの出力でも行えるのですが、LPFアンプ回路が倍必要となるのでこの方法は止めました。

ヘッドフォンアンプを必要でない場合は、IV変換ベース基板から外して戴ければ良いと思います。
また、ヘッドフォンアンプをバッファーアンプとしての使用も出来ますので、LPFアンプの出力を出力1として、ヘッドフォンアンプの出力を出力2とする使用も出来ます。

デジタル回路等で使用するICのクワッド型(QFP)やトンネル型(2ライン)の足のパターンピッチが0.65mm、0.5mm、0.4mmと、段々と狭くなってきています。
ハンダ付けもパターンピッチが1.27mmの時はそれほど難しくは感じられませんでしたが、0.65mmになるとハンダ・ブリッジもし易くなり、ハンダ付け作業が苦痛になってきた方もおられると思います。
今回AK4499の0.4㎜ピッチのハンダ付けを行いましたので、それを題材として私のハンダ付け方法を紹介したいと思います。
20200209_01


先ず糸ハンダの太さですが、何ミリをお使いですか?
0.8mm、0.5mm、0.3mmファインピッチの場合は、なるべく細いハンダが良いです。
私は0.3mmを使っています。
ハンダの形状が太いとハンダの溶ける量も多いのでピン間でのブリッジも増えます。

ハンダの種類です。
有鉛ハンダか鉛フリー(無鉛)か?
環境を考えると鉛フリーが良いのですが、ハンダの融点が高くなるので、部品へのダメージとハンダの濡れ性が悪いのでハンダ付け技術が必要となります。
私はハンダ付けの信頼性を取り有鉛ハンダを使っています。

次にハンダこて(鏝)の「こて先」です。
こて先の選択でハンダ付けの勝敗が決まります。
色んなこて先を使って自分が使い易い物を探した方がよいです。
20200209_02
私は一番左側のこて先を使っています。

究極のこて先が使い込んだこれです。
20200209_03
私はこれが無いとファインピッチのハンダ付けができません。
先が削れて(溶けて?)凹んでいます。
この凹みの部分にハンダを載せたり、ハンダを吸着させて使います。
2種類の使い方ができます。(動画があれば説明し易いのですが)

AK4499は0.4mmピッチと狭い間隔ですので半田付けが難しいと考えがちですが、それほど難しくは無いです。
一番難しいのはICと銅箔足パターンの位置合わせとICの固定です。
これが上手くできれば問題有りません。
皆さん色々な固定方法が有ると思います。
テープで止めたり接着材で止める。
私の場合はICの上に重しを載せます。
20200209_04
この重しは何でも良いのですが、ネジのナットを使っています。(AK4499の重しはこのナットよりも大きい方が良いですね)
出来るだけ重く高さの低い物が良いです。
ICの位置合わせが上手く行けば、ハンダ付けは簡単です。

いよいよハンダ付けです。
AK4499の注意点が3点ほど有ります。
1. ICの足が曲がり易いので力を加えない。
2. ハンダ付けの際ICの足になるべくハンダこてのこて先が触れないようにする。(毛細管現象を上手く利用して半田付けするとハンダ・ブリッジを避けられる)
3. 液体フラックスを使う(濡れ性アップとブリッジ等の修正に必需品)

作業スタートです。
1. 基板のハンダ面が汚れていたらアルコールで綺麗にする
2. ハンダヶ所にフラックスを塗布する
3. ICに重しを載せて位置を決める
4. 動かないように一辺の一部をハンダする(ICの足にこて先が触れないようにしてハンダを付ける)
5. ズレが無いか4辺の位置を再度確認して、ズレがあれば修正
6. 対角側の一辺の一部をハンダして、ズレを確認 (上の写真を参考にして下さい)
7.ハンダする辺にフラックスを再度塗布する
8. ICの足にこて先が触れないようにして糸ハンダを溶かしながらこて先を一往復させる。(一往復でフラックスが全て蒸発してしまうので、二往復させるとハンダ・ブリッジが発生し易くなります。)
9. ハンダが上手く付いているかルーペ(拡大鏡等)で確認する。
10. 不良ヵ所が見つかったらその部分にフラックスを塗布して足にこて先が触れないようにして再ハンダする。
11. ハンダ・ブリッジの場合は、そのヶ所にフラックスを塗布して銅箔の先端方向に向ってこて先を動かす。(ICの足にこて先を触れる場合は、足が曲がり易いので力任せにこて先を動かさないでソフトに行う、ICの足元の方向にはこて先を動かすとハンダ・ブリッジが悪化します)
12. 上手くハンダ・ブリッジが修正できない場合はアミ線でハンダを吸い取ります。
13. クリーニング、基板を綺麗にしてあげましょう。
ハンダ・ブリッジしたからと焦らないことが重要です。 ・ ・ ・ フラックスとアミ線が有ります。www

■ 成るべくICの足を触れないようする。 ハンダを溶かしながらこて先を一往復で終わりにする。
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■ 完成!
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■必需品↓
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こちらもハンダ付けが難しいICです。
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足が無い奴
上側の面積が少ないので重しが載せられません。
この場合はピンセットを載せてハンダ付けします。
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こちらも忘れずにフラックスを塗布してください。

■ 完成
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毛細管現象を上手く利用してハンダ付けする。


ファインピッチICのハンダ付けは難しく無いです。
色んな方法が有ります。
自分のやり易い方法を探しましょう。


AK4499のDAC基板はこんな感じになりました。
20200203_01
WIMAのフィルムコンが映えていますねェ。
現在電源の電圧を確認しています。
引き続き頑張りましょう。

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