フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

2023年09月

AliExpressで、小型の安いライン・トランスが有ったので買ってみました。
ED8は、面実装タイプの小型トランス
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EI14トランスが¥410、ED8トランスが¥1,200、各5個(送料込み)の値段です。
かなり安いです。
600Ωと言うインピーダンスは案外と使うのが難しいトランスでもあります。
このライン・トランスの使い道は、アースラインを分離出来るのでデジタル系のアナログ出力が良さそうです。
他の使い道としては、二次側の中間タップを利用して アンバランス ⇒ バランス 変換に使えそうです。
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写真では、比較用にサンスイ(橋本電気)のST-71を入れています。
大きさは、ST-71が一番大きくて次がEI14、一番小さいのがED8です。
ライン・トランスの良い物は1万~3万ほどしますので、性能は如何なんでしょうか?

特性が気になるので測定してみました。
測定には、ANALOG DISCOVERYとFRAplusを使用。
以下の様にブレッドボードで配線して測定。
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※ 比較としてST-71も測りました。

□ ST-71の周波数特性 □
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低域と高域共にかなり良い特性です。低域10Hzで-1dB、高域100kHzで-2dBです。


□ EI14の周波数特性 □
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基準目盛りがずれていて少し見にくいですが、10Hzで-3dB、高域100kHzで-2.5dBです。
ST-71より低域が少し悪いですがOKレベルだと思います。


□ ED8の周波数特性 □
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こちらは、10Hzで-10dB (20Hzで-6dB)、高域100kHzで0dBです。
低域は悪いですが、高域ではこのED8が一番良い特性です。-3dBで350kHzです。


次に、各トランスの歪特性を測ってみました。
トランスの負荷は、受け側のインピーダンスを10kΩとして10kΩの抵抗負荷としました。
□ 1kHz:負荷10kΩ □
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青色のST-71、黄色のEI14、緑色のED8とも同じ様な特性です。


□ 100Hz:負荷10kΩ □
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入力レベルが大きくなると小型形状トランスの歪が増えています。


□ 10kHz:負荷10kΩ □
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3つとも同じ様な歪特性です。


以上のような結果となりました。
3つの中で、ED8の低域の周波数特性が少し悪いのが気になります。

最初にも少し書きましたが、600Ωと言うインピーダンスは少し扱い難く感じます。
例えば、オーディオの出力に繋げた場合、600Ωが負荷と成りますので出力レベルが下がるのと600Ωは負荷としては少し重たいと思います。
ライン・トランスをドライブ出来るアンプで有れば問題無いですが、ひ弱のアンプですと新たにアンプを追加する必要が有るかと思います。

こちらも時間をみて使って行きたいと思います。


前回は、観測したAC電源のノイズを何とか小さく出来ないかで終わりました。

AC電源の波形観測器 (2) 2023.06.04
http://x2020.livedoor.blog/archives/20543829.html


そこで、AC電源ノイズクリーナーを作製して、その効果を検証します。
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先ず、AC電源のノイズを減らす製品が有るかと、調べてみるとアクセサリー製品で色々と有りました。

PSオーディオのノイズハーベスト、ACOUSTIC REVIVEの電源コンディショナー、FURUTECHのNCF Clear Line電源ノイズフィルター、ノードストの電源ノイズフィルターコンディショナー等です。

これら全てAC電源のコンセットに刺すタイプです。
ACコンセントに刺しての対策ですので、シャント型のノイズフィルターだと思います。
原理的に考えて、コンデンサを追加しての回路になると思いますが、中には面白い物も有ります。
空芯コイルをアンテナの様に使った物や天然の水晶を使った物も有ります。
少し笑えますが、アクセサリー商品には面白い物が沢山あります。

オーディオのアクセサリーは、健康系ではサプリメントが何となく似ていると思います。
サプリメントは、飲み始めは効いているように感じるのですが、そうでもなかったりします。
飲んでいても効果があまり感じられなくても体に良いだろうと飲み続ける感じでしょうか。
自分の話しです。

続けて良い情報は無いかと、MJ誌の古い本を見ていたら良い記事が有りました。
MJ誌の2013年3月号の56ページ「AC電源ノイズ対策品の製作」柴崎 功さんの記事です。
この記事を参考にして、AC電源ノイズクリーナー(シャント型ACノイズフィルター)を作製してみました。
部品は、手持ちの部品ですので、記事と同じ容量のコンデンサは使っていませんが、原理は同じです。
また、効果を確認するために、コンデンサをスイッチで切り換え出来るようにしています。
(スイッチへの線材のインダクタンスが増えますが、それほど影響は無いと判断しました。)
柴崎さんの記事ですので、問題無いと思い最初からケースに組み込んで作りました。

作成したAC電源ノイズクリーナーの内部写真:
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回路図:
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先に結論を言いますと、ノイズ改善の効果が有るのか微妙です。


測定時の接続:
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AC電源ノイズクリーナーの電圧監視用のBNCコネクターから見た波形です。
なお、前回作成したAC電圧と電流が測れるボックスも接続してノイズレベルを確認しています。

以下が測定データです。
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左側がコンデンサ全てOFF、右側が2,200pFを入れた時です。

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が2,200pFと0.01uFを入れた時で、右側が2,200pF+0.01uF+0.1uFの3つを入れた時です。

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が2,200pF+0.01uF+0.1uF+1uFの4つを入れた時で、右側2,200pF+0.01uF+0.1uF+1uF+1uFの5つを入れた時です。

なお、若干ノイズの出ているところが変化していますが、これはノイズが周期的に変化している部分です。
ピーク値の値では測定していません。

データからノイズの減少をあまり感じられませんでした。
この測定は、低周波領域なので高周波での変化は有るかスペアナで500MHzまで確認しましたが、大きな変化は有りませんでした。
高周波帯域については、AC電源の電圧検出抵抗とスペアナとのインピーダンスのミス・マッチングや、シールドルームでの確認で無いので外来ノイズが多く変化が分からないのかも知れません。
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このへんは、機会がありましたら再度詳しく確認してみたいと思います。

最後に音を聴いての確認も行いました。
コンデンサを入れると、音の奥行きと広がりが良く成ったと少し感じられますが ・・・・ん~、微妙ですね(-_-;)


もう少し良い対策が有るか考えて行きたいと思います。

つづく

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