スマホ等の小型製品に採用さている「MEMSマイク」を使ってバイノーラルマイクを作成しました。
MEMSマイクは、微小電気機械システム技術を使ったマイクで、音響センサであるMEMSチップと、信号処理をするICチップをアセンブリしてパッケージングした小型マイクです。
このへんの技術は、ネットで検索されるとTDK社とかで詳しく解説されています。
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また、MEMSマイクを実用録音として研究されている「ShinさんのPA工作室」も参考になります。
【ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)】

製品としては、フィデリックス社で「MEMS-F1」が販売されております。
【ハイレゾ対応マイクロフォン「MEMS-F1」】


MEMSマイクユニットは各製造会社から製造販売されていますが、音響録音マイクとして使えるMEMSマイクユニットはあまり有りません。私もネットで色々と調べていますが2~3社しか有りません。
このへんは、Shinさんのブログが参考になります。

今回は、TDK社の「ICS-40730」とInfineon社の「IM73A135V01」を採用しました。

■ MEMSマイクの周波数特性 ■
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MEMSマイクの周波数特性ですが、図の様に高域(約34kHz)にピーク(約+27dB)が有ります。
この+27dBのピークをどの様に処理するかですが、Shinさんは音源に対してダイヤフラム面を90度向きをずらして配置することによって高域を減衰させる方法をとっています。
また、フィデリックス社のMEMS-F1では、TWIN-T型のフィルター回路をマイク筐体に入れ込んでいます。(かなり複雑です)
複雑な回路は組み込め無いのでShinさんの方法で進める予定です。


■ MEMSマイクの回路構成 ■
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MEMSマイクはバランス出力と成っています。
そのため今回はマイクアンプの方もバランス対応としました。
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左側のMIC-A2Aは、ドレイン出力なので増幅します、右側のMIC-A2Bは、ソースフォロワなのでバッファー出力です。
MEMSマイクにアンプも内蔵されているので、右側のMIC-A2Bの回路を採用する事にしました。


■ MEMSマイクユニット端子へのハンダ付け ■
MEMSマイクは小さいので線材のハンダ付けが大変です。
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手ハンダに挑戦しましたが、私には無理ですね。
線材をハンダ付けしても断線の心配も有りますので、MEMSマイクユニット用の基板を作ってその基板に線材を配線する事にしました。

作った基板です。(大きさ:4mm×9mm)
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今まで基板は色々作りましたが一番小さい基板です。

この基板へのMEMSマイクユニットのハンダ付けは、リフローで行います。
MEMSマイクユニットは、リフロー部品ですが、少し熱に弱い様です。
リフローする前にMEMSマイクユニットのプリヒートが必要です。
ここでヒーテング・テーブル(ホット・プレート)を使います。
3台購入したヒーテング・テーブル(ホット・プレート)には、自動温度設定とタイマー機能が付いていない様です。少し残念です。
安物ですので・・・しょうがないです。

次回、リフローを行います。