フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

Category: 録音

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MEMSマイクの続きです

前回の 【MEMSマイクを使用したバイノーラルマイク】

【ヒーテング・テーブル(ホット・プレート)の続き】


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購入したヒーテング・テーブル(ホット・プレート)を使ってMEMSマイクユニットを基板に良い感じでハンダ付け出来ました。
リフロー用のクリーム半田(ペースト半田)は、融点183℃品を使用
融点138℃と183℃どちらを使うか悩みなましたが、何回か実験をおこなったところ問題無かったので183℃品で行きました。

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部品のプリヒートと温度管理がポイントかなぁ?

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ハンダ付けした基板の動作確認で、20ユニット作って3ユニットが動作不良でした。
ハンダ付け時の温度管理による問題だと思います
リフロー部品なのですが温度に少し弱いようです

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パナWM-61Aのバイノーラルマイクに使用したのと同じイヤフォンの枠にMEMSマイク基板を入れました。
あまり効果は無いと思いますが、マイクの風吹かれ防止しとしてスポンジを少し入れています。

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マイクアンプ基板です
こちらもかなり小さい基板です

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バランス仕様で作成しているので、XLRコネクターの中に組み込みmini XLRコネクターでイヤフォンのMEMSマイク基板に繋がります。

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組み上げて完成です


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こんな感じで使って行く予定です
運用してみて問題点を解決して行きましょう



スマホ等の小型製品に採用さている「MEMSマイク」を使ってバイノーラルマイクを作成しました。
MEMSマイクは、微小電気機械システム技術を使ったマイクで、音響センサであるMEMSチップと、信号処理をするICチップをアセンブリしてパッケージングした小型マイクです。
このへんの技術は、ネットで検索されるとTDK社とかで詳しく解説されています。
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また、MEMSマイクを実用録音として研究されている「ShinさんのPA工作室」も参考になります。
【ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)】

製品としては、フィデリックス社で「MEMS-F1」が販売されております。
【ハイレゾ対応マイクロフォン「MEMS-F1」】


MEMSマイクユニットは各製造会社から製造販売されていますが、音響録音マイクとして使えるMEMSマイクユニットはあまり有りません。私もネットで色々と調べていますが2~3社しか有りません。
このへんは、Shinさんのブログが参考になります。

今回は、TDK社の「ICS-40730」とInfineon社の「IM73A135V01」を採用しました。

■ MEMSマイクの周波数特性 ■
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MEMSマイクの周波数特性ですが、図の様に高域(約34kHz)にピーク(約+27dB)が有ります。
この+27dBのピークをどの様に処理するかですが、Shinさんは音源に対してダイヤフラム面を90度向きをずらして配置することによって高域を減衰させる方法をとっています。
また、フィデリックス社のMEMS-F1では、TWIN-T型のフィルター回路をマイク筐体に入れ込んでいます。(かなり複雑です)
複雑な回路は組み込め無いのでShinさんの方法で進める予定です。


■ MEMSマイクの回路構成 ■
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MEMSマイクはバランス出力と成っています。
そのため今回はマイクアンプの方もバランス対応としました。
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左側のMIC-A2Aは、ドレイン出力なので増幅します、右側のMIC-A2Bは、ソースフォロワなのでバッファー出力です。
MEMSマイクにアンプも内蔵されているので、右側のMIC-A2Bの回路を採用する事にしました。


■ MEMSマイクユニット端子へのハンダ付け ■
MEMSマイクは小さいので線材のハンダ付けが大変です。
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手ハンダに挑戦しましたが、私には無理ですね。
線材をハンダ付けしても断線の心配も有りますので、MEMSマイクユニット用の基板を作ってその基板に線材を配線する事にしました。

作った基板です。(大きさ:4mm×9mm)
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今まで基板は色々作りましたが一番小さい基板です。

この基板へのMEMSマイクユニットのハンダ付けは、リフローで行います。
MEMSマイクユニットは、リフロー部品ですが、少し熱に弱い様です。
リフローする前にMEMSマイクユニットのプリヒートが必要です。
ここでヒーテング・テーブル(ホット・プレート)を使います。
3台購入したヒーテング・テーブル(ホット・プレート)には、自動温度設定とタイマー機能が付いていない様です。少し残念です。
安物ですので・・・しょうがないです。

次回、リフローを行います。

コンデンサーマイクユニットWM-61Aを使ったバイノーラルマイクが完成しました。
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前回、コンデンサーマイクユニットを収める手持ちのイヤフォンを使う予定でしたが、マイクユニットを収める穴が少し小さく上手く収まらなかったので、新しくDAISOでイヤフォンを購入してきました。
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購入したイヤフォンは、外側がメッシュ状に穴が開いているのでマイクとして好都合です。

マイクの組み立て構成は、マイクユニットに固定用のテープを巻き、マイクの先端にスポンジを被せています。
このスポンジは、風対策のウィンドスクリーンの代わりですが、あまり効果は無いと思います。
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マイクユニットに2芯のシード線(モガミ3011)を使いました。
モガミ3011は、かなり細いシード線なので、2芯をパラにして使っています。
取り回しに気を付けないと直ぐに芯線が断線します。
写真は無いのですが、イヤフォンの反対側には吸音材代わりとして脱脂綿を詰めておきました。
最初スポンジを使ったのですが、効果が無いかと思い変更しました。
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こんな感じで完成です。
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早速家を出て試し録りです。
録音された音は、かなり良い感じで録音されていましたが、風が少し吹くと風切り音が気に成ります。
録音の再生をヘッドフォンで聴くとかなりリアルに再現します。

今後の課題は、風対策でしょうか?

パナのWM-61Aと言うコンデンサーマイクユニットをかき集めたら23個ほど有りました。
前回作った選別冶具を使っての測定です。
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最初コンデンサーマイクと信号を発生するスピーカーの距離を1mで設定したのですが、周りの反射の影響を受けて信号レベルが定まらないので、スピーカーとの距離を0.25mまで狭めました。
スピーカーの基準音圧を85dB(1kHz)になる様に音圧計を見ながら測定を実行しました。
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測定した結果は次の様になります
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サンプルナンバー1~14は秋月電子で購入した物で、C1~C5はAliExpressで購入、R1~R4は購入先不明ですが、たぶん秋月電子でしょう。
参考までに100Hzと10kHzのデータも測ってみましたが確度は低いです。
1kHzでのバラツキは、サンプルナンバー1~14で2.6dBの差でした。
サンプルナンバー1~14とC1~C5の中華購入品の比較だとそれより2.5dBほど感度が低くなっています。

これらの測定データからペアーを組んでみました。
( 100Hzと10kHzの測定データも少し参考しました )
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コンデンサーマイクユニットを収めるイヤフォンの手持ち品を探したところ良さそうな物がありました。
このイヤフォンのアウト側がメッシュ状になっているので加工がし易いと思っています。
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無理やり分解しようとしましたが、外れないのでエタノールに1日漬けて置きました。
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上手く分解できました。
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次は、コンデンサーマイクユニットをどの様に固定するか検討が必要です。

フィールドレコーディングと言うとカッコ良いですが生録です。
フィールドレコーディングは、学生時代に学校の先生の影響で始めた感じです。
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レコーディング機器も小さくなりました。
学生時代は、オープンリールデッキに車の鉛蓄電池を繋げて使っていました。
フィールドレコーディングのマイクですが、大き目なマイクを持って街中で録音していると、変な人に間違えられるので、小型のマイクが必要となります。

過去にこの様なマイクを作りました。
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見た目も使い易さも一番良いのは一番下のバイノーラルマイクですね。
自作したバイノーラルマイクも長年使っている間、外側の金属部分が剥がれて紛失してしまったので、新しくマイクを作る事にしました。
バイノーラルマイクは、Rolandのバイノーラルマイクロホン・イヤホン(CS-10EM)が11,000円で購入できます。
自作するのも少し微妙ですね。w

これまでパナのWM-61Aと言うコンデンサーマイクユニットを使っていましたが、少し感度にバラツキが有るので、手持ちに有るコンデンサーマイクユニットの選別をする事にしました。
※パナのWM-61Aは、残念ながら製造中止品です。涙

そこで選別冶具を作る事にしました。
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あり合わせのアンプ基板と固定基板、コンデンサーマイクユニットの固定はソケット式にしてコンデンサーマイクユニットが直ぐに交換出来るように考えてみました。

アンプ出力をオシロスコープで観るか、又はPCに取り込んでレベルを観るかの確認も必要で、週末、台風で天気が悪そうなので、コンデンサーマイクの感度測定をしたいと思っています。


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