フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

Category: 高周波回路

秋月電子で販売されているWi-Fi付マイコンESP-WROOM-02は、IoTとして使える安くて良いマイコンです。

ESP-WROOM-02

イメージ 1

また、マイコンにアンテナも付いているのでそのまま使えます。
ただ問題が有ります。
アンテナがマイコンに直接付いているためマイコンを金属ケースに収めるとWi-Fiの電波が金属で遮断されWi-Fiが使えなくなります。
安いマイコンですので、外部アンテナ端子も付いていません。

対応として外部スリーブアンテナが使えるように考えました。
※マイコン基板を加工しない方法で考えています。

スリーブアンテナ
イメージ 2

マイコンの「ミアンダ型逆Fアンテナ」は、コスト及びスペースを取らないので最近多く使われています。

アンテナの原理ですが、一般的には波長(λ)の1/2がアンテナ長となります。
例えば、Wi-Fi 2.4GHzのアンテナ長は(300M/2400MHz)/2=62.5mm
<図1> のL1(62.5mm)になります。
これでは大きいので<図2> の様にGND(アース)面を利用するとアンテナ長はλ/4として使用できます。Wi-Fi 2.4GHzのアンテナ長は(300M/2400MHz)/4=31.25mm
これでもスペースを取ってしまうので、アンテナを曲げてしまえが<図3>の逆L型となります。
これでもまだまだ大きいので、交互に曲げてしまえが<図4>のミアンダ型(蛇行)になります。
これでかなり小さくなりました。

イメージ 3

でも何処にも逆F型が出てこないではと思われますが、逆FのFは給電部のインピーダンス(50Ω)を合わすためスタブ(枝分かれ)を取り付けます。
スタブを取り付けると逆F字となります。

前置きが長くなりましたが、マイコンの「ミアンダ型逆Fアンテナ」と「スリーブアンテナ」との結合は「ループアンテナ」で結合します。
これが一番簡単です。

下の写真の様にコネクタからループアンテナの線を出してマイコンのアンテナ部分に載せます。
イメージ 4

載せ方ですが、ミアンダ型逆Fアンテナ部分だけに載せたのでは感度が上がりませんでした。上の写真↑

イメージアンテナ部分を含めてループアンテナの内部に入れると感度UPしました。下の写真↓
イメージ 5

イメージ 7

後は、カットアンドトライで位置を決めれば良いと思います。
※実験のため適当な線材を使っていますが、単線が良いかと思います。

ループアンテナのインピーダンスは100Ωですがそのへんは無視しています。
また、共振周波数でループアンテナを考えた場合アンテナループ長は1波長となります。
アンテナループ長=300M/2400MHz≒12.5mm
マッチングが取れていないので、特に気にする必要もないと考えます。
なお、スリーブアンテナとマイコンのアンテナの距離が遠い場合は、50Ωの同軸ケーブルを使えば良いと思います。
同軸ケーブルの先端にループアンテナと言う感じです。


遅れましたがスリーブアンテナはこれを使いました。
秋月の 無指向性2.4G帯無線LANアンテナ(RPSMA)

こちらも使えます。
無指向性2.4G帯無線LANラバーダックアンテナ(11cm・RPSMA)

これらのアンテナのコネクター(RPSMA)が少し特殊と言うか良いのが秋月で扱っていません。

そのため私はこれを使いました。
Dige-Key: Linx Technologies Inc. CONREVSMA008

秋月で1点のみ扱っていますが、ケースへの取り付けが出来ません。

この組み合わせなら秋月で出来ます。
変換コネクタを使うので少し長くなってしまいます。

イメージ 6


追記:2018.02.22
ひろくんさんの情報より
こちらのアンテナを使えば、普通のSMAコネクターが使えます。
室内アンテナ TWE-AN-D85


スペアナでゲインと周波数特性を確認・・・・酷いものです。

イメージ 1

ゲインは約20dB有りますが、周波数特性はトホホです。
信号が空中を飛んでいます。
高周波は、シールドケースに入れないと真値が分かりません。

次は、シールドケースに収めて、もう一度確認します。

だいぶ遅れましたが、GN1021の基板のアートワークが済み、試作基板を発注しました。

前回:広帯域のRFローノイズアンプ

イメージ 1


秋月さんGN1021:

GN1021は、ガリウム砒素(ひそ)SHF帯IF増幅・UHF帯用アンプICで、ノイズもNF=3dBとICにしては良いです。
使用用途は、スペアナのプリアンプとして使ってみようと思っています。
100kHz~1500MHzまで、増幅できればと思っていますが、100kHzは無理かもですね。
オーディオとは、全然関係無いのですが、デジタル回路のノイズ確認に使えるかと考えています。

DACやマイコンのデジタル系の自作が多くなり、ノイズ成分も高い周波数まで達しており高周波ノイズも気になります。
そこで高周波ノイズを調べるため、スペアナに繋げる広帯域のRF(高周波)ローノイズアンプ、例えばアジレントテクノロジー社のRFアンプ 8447D くらいの広帯域ローノイズアンプが欲しいのですが  ・  ・  ・  自作することにしました。
 
アジレントテクノロジー社のRFアンプ 8447D
イメージ 1

8447Dのスペックは、周波数範囲:100kHz~1.3GHz、増幅率:25dB、NF:8.5dB以下です。

自作予定の広帯域ローノイズアンプの仕様は、周波数範囲:100kHz ~ 500MHz(出来れば1GHz)、増幅率:20dB以上、NF:3dB~4dB以下を目標にしています。
また、複雑な回路では作るのが大変なので、ディスクリートにするかICにするか悩んでいましたが、秋月電子さんを調べてみたら、「GN1021」と言うICがありました。
スペックは、1.5GHzでNF:3dB / Gin25dBでガリヒ素(GaAs)です。
 
ICで、NF3dB(1.5GHz) 、入力と出力のインピーダンスも50Ωに整合されており、インピーダンスマッチングも楽に出来ます。値段的にも安いので、これで組む事にしました。

NF(ノイズフィギュア)は、雑音指数のことで、アマチュア無線をやられている方ならご存知だと思います。
今回製作予定のアンプは、25dB増幅するアンプですが、アンプに入力された信号は25dB増幅され、それとアンプ素子が持つノイズも同時に増幅されてしまいます。
当然、アンプ素子が持つノイズが低ければ、アンプの全体のノイズも低くなります。
NFは、入力信号のS/Nと出力信号のS/Nの比をNFとして表しています。

 
次の式の様になります。
NF(dB)=20log{(入力信号/入力ノイズ)/(出力信号/出力ノイズ)}
 
NFが小さい方が、ノイズが少ない事になります。
アンプ全体のS/Nは、初段で決まってしまいます。
これは、オーディオアンプも同じです。
今回の広帯域ローノイズアンプは、S/Nの悪いアンプの前に繋ぐと全体のS/Nの改善ができます。
 
私の保有しているスペアナの残留ノイズが-115dBとあまり良くありません。このスペアナに今回の25dBのローノイズアンプを繋げると、(-115dB)-25dB=-140dBとなり、残留ノイズを約25dB下げる事が出来る予定です。

始めて使ったオペアンプ(OPアンプ)は、フェアチャイルドセミコンダクター社のμA741(メタルキャンタイプ)です。
世界最初のモノリシックタイプのOPアンプは、μA702だと思います。その改良タイプがμA741です。

μA741を使って、最初に作ったのがこの電界強度計です。アマチュア無線のアンテナ調整で使用しました。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3

高校生の時に作った物だと思います。白色の基板はエッチングをして自作しています。
μA741は、その後オーディオアンプ、金田式アンプの電源にも使いましたね。
でも、互換品ですが今も売っているのは凄いですね。(o^。^o)
買う人はいないと思いますが、秋月に売っています。(メタルキャンではないです)

↑このページのトップヘ