フルバランスアンプ (X_Under bar)

心地よい音を求めて

Category: 計測器

前回は「アンバランス・バランス変換アンプ」を、今回も測定の冶具として使う「バランス・アンバランス変換アンプ」を作製しました。
この変換アンプは、バランスアンプの出力波形をオシロ等で観測する時に重宝する変換アンプです。

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※下側が今回作製した変換アンプ

測定用の変換アンプの入力には、100Vを超える電圧が印加される可能性が有りますので、アンプの入力にATT(レベル減衰機器)を設ける必要があります。
パワーアンプの出力電圧を考えるとATTは-10dBと-20dB位の減衰できる物が必要です。

そこでATTの減衰量での抵抗値の計算を行い減衰量をシュミレーションソフトを使い確認しました。( 設定条件を入力と出力のインピーダンス10kΩで計算しています )
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その結果-10dBで誤差-0.48 dB、-20dBで誤差-0.2 dBとなりました。
もう少し抵抗値を細かく抑え込めば±0.1 dBになると思います。たぶん


切り換えには4回路3接点のロータリスイッチを使いました。
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また、ATT回路の挿入でここの部分のインピーダンスが上がるのでノイズを拾う可能性が有り、チップ部品で小さく作り、ロータリスイッチのお尻に貼り付けています。
( ノイズを拾い難いバランス型のATTですが、思った以上にノイズ拾います )


変換アンプの回路図です。
ローノイズで低歪のOPアンプを使っています。
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アンプ内部
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今回も電源は5VをDC/DCコンバータで±15Vにして使っています。


今回作製したアンプは、使わない時の方が多いので収納方法を考慮してコンパクトにして、100均のプラケースに収まる様にしました。
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上手く収まりました。


次回は、アンプの特性を測ったみたいと思います。


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長年測定に使っていた「アンバランス・バランス変換アンプ」を更新する事にしました。

下の写真は今まで使っていたアンバランス・バランス変換アンプ
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基板のままで使っていましたが、ちょっとカッコ悪いです。

このアンプは、バランスアンプ等を測定するための冶具で、たまにしか使いませんが、無いと困るし、上手く収納出来るサイズで作れました。
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今回作ったアンバランス・バランス変換アンプの回路
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完全差動アンプICを使っています。

電源は5VをDC/DCコンバータで±15Vにして使っています。
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この使い方にするとバッテリーでも使えるので凄く便利です。

こんな感じで周波数特性を測ってみました。
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周波数特性
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上側がバラック測定で下側がケース組み込みでの測定
ケースの組み込みでは、入力に10kΩのボリュームが入るので、低域の周波数特性が若干悪くなっています。
そのためカップリングコンデンサーの容量を22μFから100μFに変更する予定です。
高域は1MHzまでフラットです。

残留ノイズを測ってみました。
【入力ショートのバランス出力ノイズ】
スイッチング電源アダプター:0.85mV
リチュウムイオンバッテリー:0.28mV
電源からのノイズが漏れて来ています。
やはりバッテリーのノイズが少ないです。

アンバランス⇒バランス変換アンプですが、バランス信号も使えるようにXRL端子も付けました。
次は、「バランス・アンバランス変換アンプ」を作る予定です。

パワーMOSFETのコンプリペアーやパワーMOSFETのパラ接続を行う時に、ゲートしきい値電圧(Vgs)を測定してペアー等を組む必要が有ります。

これまでは、簡単な回路を組んでVgs電圧を測っていましたが、基準となるドレイン電流を一定に保つことが非常に難しくて測定に苦労していました。

そこで良い方法は無いかと、古い雑誌を探していましたらドレイン電流を一定に保ちながらVgsを測定できる回路が有りましたので、その回路で基板を作ってみました。

今回は色々とドレイン電流を変化出来るよう工夫もしました。
Vgsを測定できるドレイン電流は、10mA、15mA、25mA、35mA、40mA、50mA、60mA、65mA、75mA、100mA、110mA、115mA、125mA、135mA、140mA、150mA、160mA、165mA、175mA、200mAの20種類をスイッチで選べるようにしました。
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このドレイン電流を大きくして測定するとMOSFETからの発熱によりVgs電圧が変化してしまうためドレイン電流の最大電流を200mAとしました。
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A級アンプ等でのパラ接続では、もう少し多めにドレイン電流を設定する必要が有ると思います。
その場合はMOSFETに放熱板を付ければ良いと思います。

Vgs測定基板は、MOSFETのN-chとP-ch用の2種類の基板を作りました。
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ドレイン電流を100mA以上で使う場合は、MOSFETに放熱板を付けた方が安心して測定出来ます。
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今回、あり合わせのコネクターを使って、Vgsの測定を行いましたが、もう少しちゃんとしたコネクターを使えばパワーMOSFETをスムーズに交換出来て作業が速く進められると思いました。

これで何種類かあるパワーMOSFETのVgs測定が行えそうです。


アンプを自作するとアンプ回路の温度上昇が気になります。

今までは、センサーと分離タイプのデジタル温度計を使っていましたが、使い勝手が悪いので無接触で温度が測れる手頃な温度計が良いかと思い、Amazonでいろいろ探すとピストル型の放射温度計が3,000円くらいで購入できます。
出来れば測定データとして保存も出来るタイプが良いと思い、赤外線サーマルイメージカメラで検索すると、ピストル型の赤外線サーマルイメージセンサーで画像表示できるタイプとAndroid 又は iPhoneスマホにアドオンできるタイプがヒットしました。
ですが、3万9千円~5万9千円と値段が高いです。(熱画像ピクセルは、256×192、240×240、320×240等)

そこで何時ものAliExpressで探すと、サーマルイメージャーマルチメータET12Sが見つかりました。
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このET12Sは、赤外線サーマルイメージカメラとマルチメータの2つの機能がドッキングした測定器です。
ET12Sには、ワンランク下のET11Sも有りますが、参考画像を見ますと解像度が悪そうなので、ET12Sを2023年8月ごろ18,500円(送料込み)で購入しました。
2024年1月28日現在、ET12Sの上位モデルにあたるET13S(22,737円)も新規発売されています。

心臓部のセンサーの解像度は、ET13Sが凄く良いです。
【熱画像ピクセル】ET11S(24×32)、ET12S(90×120)、ET13S(192×192)

下の参考画像からET13Sが凄く良いですね。
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※画像はネットからお借りしました。

と言う事でプリアンプの温度を測ってみました。
先ず初めに、入力切替えの近くに有るコンプリFETのバッファー回路です。
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解像度が悪いので、右側に実際の回路基板の写真を付けました。(笑

次が、左側に電源(青色LEDの所)、右側にフラット・アンプです。
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こちらも回路基板の写真を付けないと良く分かりませんね。

これらの測定画面を画像として保存できます。
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保存するのに時間が掛かります。(笑
保存形式は、ビットマップ(BMP)で保存容量は3.5MBですので直ぐに一杯になってしまいます。
それと保存したファイルをPCで見ようとしても開けなくファイルが壊れているとエラーメッセージが出る場合が有ります。
その場合は、保存したファイルをET12S本体のツール⇒ストレージで一度表示させてからPCに接続すると直りました。
バグですかね? 良く分かりません。
この件も有りましてET12Sをあまりお薦め出来ません。

最近、この手のサーモグラフィー サーマルカメラは、色々と出てきていて値段も下がっているようです。
性能と解像度を求めるなら4万~5万円位の物になると思います。


以下に主なスペックを載せておきます。
【熱画像ピクセル】
24×32 (ET11S)、90×120 (ET12S)、192×192 (ET13S)

【測定温度範囲】
-40~300℃(ET11S)、-20~400℃(ET12S)、-20~550℃(ET13S)

【温度測定誤差】
>0 ℃:± 2 ℃/± 2%、± 0 ℃ ± 5 ℃/± 5%

【表示温度精度】
0.1°C / 0.1°F

【表示画面】
2.8インチ320×480 タッチスクリーン

【USBインターフェイス】
TYPE-C

【ストレージ容量】
3.5MB

【イメージ形式】
bmp

【Battery】
内蔵リチウム電池



何時もこのブログを見に来て戴きまして、ありがとうございます。
最近、仕事が忙しくブログの更新が出来ませんでした。

だいぶ前に購入して有ったオシロスコープ(FNIRST DSO-TC3)で、AC電源の波形を観測してみました。
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接続は、2023/05/28の「AC電源の波形観測器 (1)」を使っています。
「AC電源の波形観測器 (1)」2023/05/28


この様に接続しました。
このオシロスコープのコネクターは、MCXコネクターと少し違ったコネクターです。
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家庭のコンセットAC100Vの波形です。
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他のオシロでの比較です。
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同じ様な波形しています。



このFNIRST DSO-TC3は、オシロスコープ以外にも機能があります。
信号発生器(DDS)、トランジスタテスター等の部品測定、直流電圧発生器、IRリモコン(赤外線リモコン)の波形測定


信号発生器(DDS)の確認をしてみました。
正弦波の1kHzです。
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良い波形です。


次は矩形波の1kHzです。
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綺麗な波形です。


矩形波の10kHzです。
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これも問題無い波形です。


矩形波の100kHzです。
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100kHzは、少し厳しいですかね。
でもこんなもんでしょう。


FNIRST DSO-TC3をAliExpressで購入したのが、2023年4月です。
購入価格が、プローブ無しの送料込みで、5,433円でした。
手ごろない値段でしたので、購入した感じです。
表示板の液晶も綺麗ですし、操作もシンプルで、取扱説明書を見なくても使える感じでした。
オシロスコープの帯域が500kHzですが、オーディオ帯域で波形観測するのには良いかと思います。
これを2台揃えれば、初心者がコンパクトに波形の観測が出来ますね。



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